インドネシア スマトラ|オナンガンジャン・マンデリン
/Onang Ganjang Wet Hulled
久しぶりのオナンガンジャン・マンデリンの登場。
インドネシアは世界最多の島嶼を抱える国で、
約1万3,000もの島々で構成されています。
今回の産地は西部に浮かぶスマトラ島です。
なかでもオナンガンジャンは島の北部に位置しています。
19世紀末に発生したさび病(コーヒーノキの病気)の甚大な被害と
その後の耐病性品種への植え替えにより、
マンデリンの産地であるスマトラ島では
当時栽培されていたティピカ系の品種はほぼ消失してしまいました。
ただ、そのなかでもスマトラ島北部トバ湖周辺の標高の高い地域では
細々とではあるものの同品種が残っている地域があります。
LCFマンデリンもこの地域の品種を主体にしていますが、
こちらのオナンガンジャンも同じ背景で生き残った品種です。
「オナンガンジャン」とは地域の名前でもあり、品種の名前でもあります。
この品種はこの地域でわずかに生き残っていた程度ですので、
当初は、各農家には該当の樹にリボンをくくり目印にしていましたが、
現在は、生産者が木を識別できるようになっています。
この地域は小規模な農家が多く、
その農家の農地には必ずしもティピカ系品種だけが
植えられているわけではないのです。
単一品種のみで構成されたロットを実現するため、
多くの農家に協力していただいております。
滑らかな質感。トロピカルフルーツのニュアンスをほのかに感じさせ、
冷めてくるとバニラのような風味を感じさせます。
マンデリンだからこそ味わえる質感の厚み、風味の複雑さ、甘いコク。
是非お楽しみください。
【概要】
・所在:北スマトラ州フンムバン・ハスンドゥタン県オナンガンジャン
・標高:1,400m程度
・商流:オナンガンジャン品種を栽培している生産者⇒仲買人⇒輸出業者
※ポイントは3者がただ売り買いする商売相手ではなく、連携し、どうやって品質を高め、スペシャルティ市場にアクセスするかに取り組んでいること。
・収穫:オナンガンジャン品種のチェリーのみを選択的に収穫
※オナンガンジャン地区のオナンガンジャン品種ロットを作るプロジェクトとしてスタートした。当初はオナンガンジャン品種の木にリボンを括り付け、選択的に収穫できるよう工夫した。現在は生産者が木を識別できるようになっている。
・精製-乾燥-選別:
1. 生産者が果肉除去
2. 生産者が12時間程度ドライファーメンテーション
3. 生産者が水洗
4. 生産者が一次乾燥(2日天日乾燥)
5. 仲買人が一時乾燥済パーチメント買付
6. 仲買人が脱穀
7. 仲買人が2次乾燥(パティオにて5日天日乾燥)
8. 水分値安定のため30日間保管
9. 輸出業者にて選別 粗選別 スクリーン選別 比重選別 色差選別 手選別
※通常の選別工程に加え、虫食いに特化したハンドソーティングを別途実施。この工程は近年の虫食い被害対策としてこちらからリクエストしたLCF仕様。チェリー段階での虫食い頻度は一般的なマンデリンと変わらないと予想され、驚異的な選別が施されていると言える。
【オナンガンジャン品種】
オナンガンジャン地区で発見されたクラシック・スマトラの1つ。クラシック・スマトラとは、1876年スマトラにおいてもサビ病が発生し壊滅的被害をもたらしたこと、その余波としてロブスタやハイブリッド品種への植替えが進んだことで、当時スマトラで栽培されていたティピカ品種は失われたと考えられていた。しかし、後にスマトラ島の奥地であるトバ湖周辺において当時栽培されていたティピカ系品種の生き残りが再発見された。再発見地によりバーゲンダル、シディカラン、ガロンガンと呼ばれるクラシック・スマトラが存在する。
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